ワイアード誌の紹介記事

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 (旧ワイアード誌1998年9月号に掲載された紹介記事を、筆者の小崎哲哉氏の同意の下に転載させていただきました。)

危うし、asahi.com?

仏「ル・モンド・ディプロマティーク」日本語版創刊

 つねづね思っていることだが、なぜ日本には「クォリティ・ペーパー」と呼びうる新聞・雑誌がないのだろう? 米国にはたとえばニューヨーク・タイムズが、英国にはガーディアンやインディペンデントが、フランスにはル・モンドやリベラシオンなどがあって、それぞれ扇情的な夕刊紙と一線を画している。政治的姿勢と論調は当然異なるし、ときどきはヌケやモレもあるけれど、世界各国への目配りのよさは共通している。

 日本にも朝日や日経があるだろうって? ご冗談でしょう。アムロの出産や聖子の再婚に紙面を割くくらいだったら、アルジェリアや東ティモールやコソボで何が起こっているのか、きちんと報道してほしい。朝日や日経と東スポやナイタイとの距離は、上述の各誌紙と夕刊紙との距離に比べればゼロみたいなものだ。だいたい国際面が2ページしかなくて、しかも半分が米国関連記事という新聞の、どこに「クォリティ(質)」があるってんだ!? 「クォンティティ(量)」だってないぞ!

 と、怒りをたぎらせていたら、ル・モンド・ディプロマティークの日本語版ウェブ・サイトを発見した。オリジナルはル・モンドが編集する月刊オピニオン紙で、ヨーロッパを中心とする知識人が時事問題についての論評を執筆している。同サイトの掲示板を読んだ限りでは、どうやら本家による日本語版発行を望んでいた人たちが、なかなか実現しないのに業を煮やして、ほとんど草の根的にサイトを立ち上げたものらしい。もちろん許諾を受けた上での翻訳で、全記事ではないとはいえ、毎月約10本の記事をなんと500円でメール配信してくれる。

 こうなるとタブロイド新聞の論調も日本語で読んでみたくなる。実は私、東スポの大ファンでもあります。誰か、サンやフランス・ソワールを翻訳・配信してくれない?


All rights reserved, 1998, Ozaki Tetsuya

ご参考:ACADEMIC RESOURCE GUIDE 2001年04月05日号
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