英領ジャージー滞在の記

オリヴィエ・シラン特派員(Olivier Cyran)

ジャーナリスト

訳:日本語版編集部


 「タックスヘイブンを一掃するだって? ああ、BBCでそんな話を聞きましたよ。おたくの大統領は、ずいぶんいきり立っているみたいですね。いやあ、もしこのあたりで彼の脅しを真面目に受け取った人を1人でも見つけたら、ぜひとも教えてくださいよ」。笑いをこらえながら、このホワイトカラー氏はタバコを揉み消し、巣穴に戻っていった。入り口の大理石の壁には、真新しい硬貨のようにぴかぴかの金色のプレートが50枚ほど掲げられていて、会計税理事務所、為替ディーラー、ビジネス弁護士、ペーパーカンパニーの運営者など、事務所の主たちが確認できる。ジャージーの首都セントヘリアのウォーターフロントは、租税回避のハイテク集団で埋め尽くされている。護岸のコンクリートの横に岸壁が続き、霧の中に溶けていく。チャンネル諸島にあるこの小島の住民9万人のうち、労働力人口の4分の1に相当する1万2000人余りが金融部門で働いている。

 フランス大統領がタックスヘイブンを槍玉に挙げたことで、関係者たちが肝を冷やしたと思うのは空しい早とちりでしかない。2008年10月15日の夕、彼はブリュッセルで、ル・モンド紙上の表現によれば「断定調の強烈な演説」を行い(1)、世界金融の「暗黒ゾーンの一掃」を呼びかけたが、ジャージーのメディアからは無視された。翌日、島内唯一の日刊紙ジャージー・イヴニング・ポストが報じたのは、インドで開催中の英連邦ユース競技大会に遠征した選手たちの不調である。サルコジの一喝について、世界的なインパクトを与えるものだとしたフランスのメディアとは対照的に、ジャージーでは一言も触れられなかった。

 待ち受ける脅威に対する自覚が欠けているのか、それともパワーバランスを見抜いているのか。フランスからわずか20キロの海上にあるジャージーは、英国王室の属領ながら公式には独立性を備えた極小国家であり、国民1人あたりの国民総生産(GNP)がルクセンブルク、バミューダ諸島に次ぐ世界第3位の富裕国である。米国人アナリストのマーティン・サリヴァンの分析によると、ジャージーに預けられた資金は2006年現在で5億ポンド(約670億円)超である(2)。世界の最富裕層が各地のオフショアセンターに隠し持つ総額11兆5000億ドルの中では(3)、ほんのわずかな割合だ。ただし、ジャージーのシェアは今後確実に増えるだろう。

 世界に数十あるとされるオフショアセンターが激烈な競争を繰り広げるなかで(4)、ジャージーも市場シェアの確保を図っている。外国企業は2007年まで、10%の低税率を享受していた。ところが、最大のライバルのひとつであるマン島がその先を行き、この金の生る木に対する課税を撤廃した。出し抜かれたジャージーは、同じ手を打った。多国籍企業からは1ペニーたりとも徴収せず、10%の課税は地元の金融サービス会社だけに限定したのだ。

 ジャージーはさらに、ヘッジファンドを吸い寄せる新しい優遇策を取ることで、再び優位に立った。2008年1月1日から、最低100万ドルの資金を持つ者は、ジャージー特製のダミー会社を介して、いかなる許認可も監督も求められずに、ハイリスクの投機にいそしむことができるようになった。

 この新制度は「規制外の商品を求めていた投機ファンドその他の新手の運用会社の需要に応えたものだ」と説明するのは、ジャージー・ファイナンス・リミテッドの社員である。同社は、投資家にジャージーの魅力を売り込むプロモーション事業を行う公社である。地元で「大金持ち向けの観光案内所」と呼ばれる同社は、2008年2月から10月の間に24のダミー会社を設立した実績を誇る。ヘッジファンドは、証券市場の暴落で評判を落とし、収益率も下がったかもしれないが、ジャージーの制度には満足しているようだ。

 この島の最大のウリは信託である。信託は法的に異色の制度で、ものすごい利便を提供する。別人の名義で登録しておくことで、税務当局にも、配偶者や相続権者にも、資産を隠しておくことができる。表向き、資産は自分のものではなくなっているが、実際は全額自分のものだ。つまり、富の不都合を被ることなく利点だけを享受できる。この金庫の中身を探られるのは、不運な巡り合わせが重なった場合に限られる。その一例が、2004年7月の出来事だ。アーセナル所属のサッカー選手が離婚問題で揉めた際、英国司法当局が、ジャージーの信託口座への疑わしい送金を追跡した。この送金は、監督と選手に対する報奨金の脱税工作だったことが判明した。フランス人スター選手、ティエリー・アンリーも含まれていた。地元の事情通が匿名で説明してくれたところによれば、「クライアントが摘発されることはめったにない。ジャージー政府は、こうした取引の仕組みのおかげを被っている。信託の利点は、ほとんどチェックが入らないうえに、市場の変動に左右されないことだ。危機があろうがなかろうが、金持ちは常に多数いるから、彼らの資産を保護する避難所に対するニーズは常に高い」

「GSTはいただきません」

 このシステムは、「資本主義の再編」後も生き延びられるほど強固なものなのだろうか。2008年10月14日にフィヨン仏首相がフランス下院で、「オフショアセンターのようなブラックホールはなくすべきだ」と息巻いたが、こうした攻撃の中で、ジャージーのシステムは崩壊を心配しなくてもいいのだろうか。フランク・ウォーカー首相は、こうした問いに答えようとしなかった。彼はバークレイズ銀行の元幹部で、2005年に英国人共同経営者に売却するまでジャージー・イヴニング・ポストの社主だった。その内閣は10人からなり、うち6人が億万規模の資産家である。6人のうち何かと話題の人物を追ってみよう。上院議員であり実業家でもあるフィリップ・オズフだ。ロンドンのヨーロピアン・ビジネス・スクールの出身で、経済開発相を務めている。

 オズフ大臣の輝かしい実績は、物品サービス税(GST)を導入したことだ。2008年の税率は3%で、金融部門を除く物品とサービスに対して課税される。この税収が、外国企業に対する税の撤廃による1億ポンド(約130億円)の歳入不足の埋め合わせとなる。当地のGSTの特色のひとつは、医薬品や学用品などの生活必需品にも課税される一方で、ヨット用燃料は非課税であることだ。大金持ちが自分の資力にうるさいことを考えれば、これが非課税になるのは腑に落ちる。

 この忌まわしい税の話を振ると、オフショア金融や政府の関係者ではないジャージー国民で、怒りをぶちまけない者はいない。「GST? 富裕層のために庶民がカネを払うなんて、この島らしい、実にふざけた話ですよ」と言うのは、セントヘリアの歴史地区の中でも最も人通りの多い目抜き通り、キング・ストリートにある商店の女主人だ。彼女はすぐにこう付け加えた。「私の名前は出さないでください。問題を抱えたくありませんから」

 不満を持つ者の大半は、異論を表立って口にすることの不安から、動きが取れずにいる。ジャージーには、組織された反体制勢力も、独立した報道機関も存在しない。病院と運輸業界を除き、労働組合もない。島内唯一の賃金労働者団体は、英国の労働組合ユナイトに加盟しているが、断固たる姿勢を示せずにいる。報復措置を懸念せざるを得ないし、このバナナ共和国(5)の法令は役に立たないからだ。法定労働時間、解雇時の補償金、失業保険はなく、スト権も厳しく制限されている。「ここは民主国家ではない」と、数少ない反体制団体タイム4チェンジの創設者、ニック・ル=コルニュは言う。彼自身、金融会社に勤める法律家である。「社会的、政治的な自由がないせいで金融システムがのさばって、国を占拠し、我々を統治する法律を作っている。人々はびくびくしている。ここでは、どんなに貧しい者も、なんらかの派閥のメンバーとどこかでつながっている。文化的な要素もある。つまり、ジャージー人はもともとが農民で、英国人と違って、階級意識や組合活動といったものに無縁だったからね」

 政府にとっては夢のような社会風土だが、税制改革の正当性を国民に納得させることはできなかった。多くの商店がショーウィンドーに、「GSTはいただきません」と、怒りの漂うパネルを掲げている。それで儲けが減ってもかまわないという意思表示だ。オズフ課税に反対する署名は1万9000筆にのぼり、この抑圧された島では歴史的な出来事となった。しかし、ジャージー・イヴニング・ポスト、BBCジャージー支局、民営のローカルテレビしかない地元メディアは、こうした民意の表明に関心を向けなかった。「目下の金融動乱において、ジャージーが提供できる最も価値あるサービスは、安全性、堅実性、安定性だ」。ポスト紙の政治記者、クリスティーン・ヒーバートは、10月21日付の記事の冒頭にこう書いた。記事の見出しは「変化する世界における堅実な価値」である。政府もまた、分別くさく構えてみせ、GSTに関して譲歩はしなかった。

 しかし、世界がどう変化しようと、法律に異議を申し立てる変わり者は常にいる。ニール・マクマレーは元漁師で、操業中に片手を失った。子供たちの世話をする時間のほかは、活気あふれるルポルタージュを制作し、ブログに載せている。最近では、カメラを回しながらオズフを追いかけ、オズフ課税に関するコメントを取ろうとした。その場面は、噴き出さずにはいられないほどコミカルだ。閣僚議員は、追跡者に気付かない振りをして、人のごった返す部屋から部屋へと逃げ回る。追跡者のほうはひたすら「オズフさん、GSTについて一言お願いします。オズフさあん」と呼びかける(6)

 なりゆきでやむなくジャーナリストになったマクマレーは語る。「漁師だった頃は、年に9カ月、海で働いていて、世の中の動きなんてどうでもよかった。目が開いたのは、陸の生活に戻ることになった時だ。為政者は説明責任を果たしていない。貧乏人は投票に行く気力がない。金持ちだけが、仲間を政権に就けておくために投票に行く。ここでは、あらゆることが欲得ずくに支配されている。若者たちは島を出て行く。ここには、銀行以外に進路がないからだ。金融という単一産業が、農業、漁業、それに観光業まで、何もかも呑み込んでしまった。人々は怒っている。だが、怯えている。そこに問題の本質がある。私の取材テーマに協力してくれていたカメラマンは、身の危険を感じて手を引くことを選んだ」。フランスの指導者たちがタックスヘイブンにとどめを刺すと言い切ったのを知っているかと尋ねてみた。「あまり期待していない。私の望みはむしろ、今回の危機で金融システムが崩壊することだ。そのせいで、私の妻を含む国民の大半が失業することになったとしてもだ。しかし、事態がそういう方向に進む見込みは低い」

タックスヘイブンではない?

 我々もオズフとコンタクトを取ろうとして断られ、スポークスマンのジョフ・クックが取材に応じた。クックはHSBC銀行の財務部長の経歴がある。マクマレーの言うように、「ジャージーでは、金融と政治は同一の職能集団に属している」のだ。

 最近ジャージー・ファイナンス・リミテッドの総裁に就任したクックは、同社の4階にある応接室のひとつで我々を迎えた。気味の悪いほど四角四面な態度だったが、本来は率直な物言いで知られる人物である。9月16日にジャージー・イヴニング・ポスト紙上で、米銀リーマン・ブラザーズの倒産を好意的に評価したほどどだ。世界中の証券市場が恐怖の悲鳴を上げていた矢先である。「これはいろいろな意味で良いことだ。(・・・)弱すぎるプレイヤーは退場すべきである。これこそがシステムの自由度を高めるために必要なことなのだ」

 金融システムの自由度を高めるだなんて、これまた意表を突くことを言うものだ。フランス大統領の主張とは完全に食い違う。ジャージー島の営業部長はこう答えた。「誤解があります。まず、ジャージーはタックスヘイブンではなく、税務中立国です。両者はまったく異なるものです。我々は米国、ドイツ、オランダと情報交換協定を結んでおり、同様の協定を北欧諸国やフランスとも交わす予定です。相手国の市民が脱税目的でジャージーに資産を置いている疑いがある場合、その国はケースバイケースで我々に情報提供を請求できます。もちろん、請求には根拠がなくてはなりません。我々のクライアントにせよ誰にせよ、プライバシーを守る権利がありますからね。しかし、問題が深刻なものだと判断した場合には、協力を惜しむことはありません」

 「国際社会」の側でも抜かりはなかった。2002年、経済協力開発機構(OECD)は、バハマ、クック諸島、ジブラルタル、パナマといった他の26の資産保養地ともども、ジャージーを非協力的タックスヘイブンのリストから削除し、5カ国のみをリストに残した(7)。同じ年、国際通貨基金(IMF)の報告書は、ジャージーが「金融規制、資金洗浄防止、テロ組織への資金提供防止に関する国際基準」を「ほぼ」完璧に満たすと評価した。

 クックはいらいらした様子で続ける。「にもかかわらず、我が国には金融に対する規制がないなどといまだに言う者がいます。事実無根もはなはだしい。我が国には独自の規制機関、ジャージー金融サービス委員会があり、独立性の下で仕事をしているのに」。それは紛れもない事実だ。委員長のコリン・パウエルは、30年にわたってオフショア金融で財をなした人物で、ウォーカー首相の側近の1人として、国際問題顧問を務めてきた。

 クックは説得力のある議論を展開した。フランスが、一方では極めて友好的な協力協定を結ぼうとしている相手を「ブラックホール」として消し去るなんてことがあるだろうか。パートナーとしての善意と「内部事情」の尊重が、そうした協定の前提ではないか。協定は数カ月以内に結ばれるはずだが、待望論はすでに高まっている。ウォーカー首相の率いるジャージー使節団が、交渉促進のためにパリを訪問していた11月5日のこと。隠密裏に行動していた使節団は、最後に上院に招待され、ラルシェ上院議長と非公式会談を持った。パリ訪問をアレンジしたのは、国民運動連合(UMP)所属で上院議員とマンシュ県会議長を兼任し、ジャージーの利益の代弁者となってきたジャン=フランソワ・ル=グランである。訪問を受けたラルシェ議長は、ジャージー首相の親書の内容を両院の全議員に伝えると約束した。「ジャージーは国際規則を遵守する規律ある金融センターである(8)」と保証した文書である。

 「断定口調をお許しいただきたいが、ジャージーは違法な租税回避や資金洗浄の行為を保護も助長もしておりません。そのようなことは過去にも一切しておりません」。ジャージー政府のウェブサイトには、この時の首相の演説が掲載されている。売り込みテクニックに長けたジャージーのボスは、フランスの議員たちの弱点を突かずにはおかない。彼はジャージーに積み上がった「キャッシュ」をちらつかせた。おなかがぺこぺこの客にシュークリームを出して見せるケーキ屋のように、こんなふうに強調したのだ。欧州が流動性の「極度の欠乏」にある現状において、「世界でも最高レベルの支払余力を有するジャージーの銀行は、流動性の供給源として優位性を持っています」。したがって、「欧州全体の経済的繁栄への貴重な貢献」について、フランスがジャージーに感謝する日が来ないとも限らない、というのが結論だ。

所得税制も独特

 こうした金庫番の主張は、フランスの多数の大手金融機関がジャージーで事業を展開しているだけに、一考を要するものとなる。当地ではSGプライベート・バンキングの名で知られるソシエテ・ジェネラルや、セントヘリア中心部のラモット通りを拠点に、クックの見るところ「完全に公正な取引を行っている」BNPパリバなどだ。たしかに、こうした銀行では、キッチン新調のための融資の相談に乗るわけではない。近所のシックなバーで行員から耳打ちされた話によれば、ジャージーのBNPは、むしろ東南アジアの石油プロジェクトへの資金供与に注力している。この証言の裏を同行の広報から取ることはできなかった。フランス以外の事業者も、フランス政府と実り豊かな関係を築いているものが多い。

 たとえば、プライスウォーターハウスクーパース(PwC)とデロイトという2大多国籍監査会計事務所がそうだ。租税回避に関する高度な専門性を備え、島内で抜群の存在感を持っている。いずれもフランス政府をクライアントとしており、「公共政策の全般的な見直し」の主要な監査契約を受注している。彼らの任務は何なのかというと、各省内で削減すべきポストの性質と数の見積もりである(9)

 そもそも、一風変わっているとはいえ、ボランティアを促進するような税制であって、性急な判断は控えるべきか。そう水を向けると、クックは「その通り」だと言う。「我が国で、裕福な者が貧しい者より税金を払っていないことは確かです。しかし、これは文化の違いです。フランスでは、裕福な者は税金を払うことだけが取り柄だと思われていますが、ここではチャリティー活動を行うなど、他の方法で社会の役に立っているのです」。ジャージー島の営業部長は、自国の所得税がいかにシンプルかを自慢げに力説した。一律20%、ただし富裕層は資産額に応じた控除を受けられる。「高額所得者は、50万ポンド(約6700万円)までは20%の税率、それを超える部分は逓減税率」になるという。課税額がゼロになることさえある。

 すでに飽和状態の島内にさらに大金持ちを呼び込もうとして、ジャージー政府は「1(1)K」という名の特例の課税層を新設した。優遇対象の富裕層は、税率を政府と直接交渉できるという制度である。交渉の結果が0%、代わりに年間10万ポンド(約1300万円)の定額税を納めるというのが一般的だ。この金額は、先のル=コルニュによると、せいぜい「彼らが弁護士1人に払う謝礼と同程度でしかない」。この制度の適用を受けるには「各種団体への寄付を通じて居住国に貢献することを約束しなければならない」という条件も、クックが大いに自慢する点だ。

 こうした現状の下で、「規制」と聞いて事情通がせせら笑うのも無理はない。「法令がどうなろうと、会計士と弁護士はいつだって回避策を見つける」と、2004年に言い放ったのは、大手会計税理事務所ムーア・スティーヴンスの税金コンサルタントである(10)。「この業界で働いたことのある者は誰でも、政府が新しい監督措置を打ち出すたびに、その抜け穴や弱点を見つけ出すために、法律家チームがどれほど丹念に検討するかを知っている」と、ジャージーの金融業界に身を置いていたジョン・クリステンセンも言う。「たとえ調査官が怪しげな送金の形跡を発見しても、オフショア企業はいつも先手を打っている。危険を察知するやいなや、管理会社は資産を新しい秘密口座に移す。それで一丁上がりだ。逃亡条項と呼ばれる契約規定に基づく対策だ。こうしたサービスが高い手数料を取られることは言うまでもない。しかし、顧客が築き上げた資産に比べれば取るに足らないコストだ (11)

 ジャージーの「一掃」だなんて、本気で言っているのだろうか。住宅相のテリー・ル=マンはそうは思わない。彼自身の資産は莫大なものではないが、中古車販売という実体経済によって築いたものだ。オフショアのハイテク金融に比べると小規模の事業だが、13キロかける7キロの島に派手なスポーツカーのひしめく土地柄ゆえに、まずまずの収益を上げている。苦渋をなめつくした70代のル=マンに言わせれば、フランスとジャージーの関係は間違いなく発展する。「フランス人が懸念しているのは、タックスヘイブンではなく、税金に押しつぶされることなしには事業を立ち上げられない現状だ。フランスでは、労働組合が企業を動かしている。サルコジはそうした状況を終わらせることを望んでいる。それゆえ、ジャージー政府は彼の改革を全面的に支持する」

(ル・モンド・ディプロマティーク日本語・電子版2008年12月号)